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BMP6195.gif     A群溶連菌感染症

                       (文責:宮下和也)

  Pさんは、2週間前に、のどの痛みと発熱があり、以前に他院で処方されて残っていた
抗生剤を自己判断で服用して軽快しました。ところが、2日前から再発熱し、受診しました。

   体温は38℃、手足に紅斑があり、両側の肘と膝の関節が腫れています。心雑音はなく、
扁桃腺は赤く腫れ、細菌検査でA群β溶血性連鎖球菌(以下、溶連菌)が検出されました。
血液検査では、炎症反応およびASLOが高値を示しました。

  リウマチ熱と診断し、入院を勧めましたが、通院を希望したため、広域ペニシリンと
アスピリンの投与を行ない、症状は改善しました。その後、再発予防のための治療を継続
中です。

  溶連菌は、小児のみならず成人においても、急性扁桃腺炎の原因の約3割を占めます。
検査せずに抗生物質を使用しますと、症状がマスクされ、菌量も減ってしまい、かえって
診断を困難にします。

  また、溶連菌は感染力が非常に強く、不顕性感染者からも、感染が広がります。その上、
抗原性の異なる80種類以上もの溶連菌が存在するため、しばしば繰り返し罹ります。

  発症者の家族は、原則として同時治療を行ないます。溶連菌は食品中でも増殖し得る
ため、食品を介して集団感染を引き起こした事例もあります。そのため、食品を扱う職業
の人が罹った場合は、他への感染のおそれがなくなるまで、仕事を離れる必要もあります。

  適切な抗生物質の投与開始48時間後には感染性は低下しますが、確実な除菌のために
10〜14日間の抗生剤投与による治療を要します。

  感染の1〜4週後に、リウマチ熱または急性糸球体腎炎を続発することがあります。
先行する溶連菌感染症自体は、本人が自覚しないほど軽微な場合もあり得ます。

  近年、リウマチ熱の新たな発生はないと言われて来ましたが、当クリニックでは、
最近3年半で8名ものリウマチ熱の発症を確認しており、十分な警戒が必要です。