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(文責:宮下和也)
甲状腺は蝶の形をした臓器で、のどぼとけの下にあり、甲状腺ホルモンを産生・分泌しています。
甲状腺ホルモンは、代謝を活発にする働きがあり、熱産生・呼吸・循環・精神活動・成長発達など、
全身に渡って重要な役割を果たしています。
橋本病は、自己免疫反応(*注)による、甲状腺の慢性炎症です。慢性炎症によって、甲状腺が
腫大あるいは萎縮し、次第に、甲状腺ホルモンの不足を来します。
*注 自己免疫反応 自己を守るために、病原体や異物を攻撃し排除する機能が免疫システムです。
その免疫システムに異常が生じて、自分の体を攻撃してしまうのが、自己免疫反応です。
甲状腺ホルモンが不足しますと、全身倦怠感・無気力・易疲労性・寒がり・皮膚乾燥・脱毛・
浮腫・嗄声・便秘・動悸などの症状が現れ、血清コレステロール値が上がります。怠け者と誤解され
たり、高脂血症・更年期障害・精神疾患などと誤診されたりすることもあります。著しい場合には、
心不全を生じたり、昏睡に陥ることもあります。
橋本病は、全女性の約10%という高い頻度でみられますが、疑って検査をしなければ、診断はつき
ません。通常、採血を行なって、甲状腺機能や甲状腺自己抗体などを検査することにより診断されます。
橋本病の炎症には波がありますので、甲状腺機能が正常であっても、定期検査が大切です。また、
橋本病は、甲状腺悪性リンパ腫の発生母地となるため、専門医による診察および甲状腺超音波検査等が
必要です。
治療は、病状に応じて、甲状腺ホルモンの補充療法が行なわれます。