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BMP6195.gif      伝染性単核球症

                       (文責:宮下和也)

   16歳のRさんは、 40℃の高熱と激しい咽頭痛を訴えて受診しました。眼瞼に紅斑があり、
頚部のリンパ節がごりごり腫れ、扁桃腺は赤く腫れて膿がついています。

   扁桃腺からはA群溶連菌が検出され、一見、通常のA群溶連菌感染症のようでしたが、血液
検査では、リンパ球が著増し、異型リンパ球の出現と著しい肝機能障害を認めました。

   伝染性単核球症が疑われたため、安静の上、点滴で水分を補い、マクロライド系抗生剤の
投与を行いました。精査の結果、EBウイルスのVCA IgM抗体価が高値を示し、EBウイルス感染
による伝染性単核球症と確定診断しました。約1ヶ月後には肝機能は正常化し、溶連菌による
急性糸球体腎炎やリウマチ熱の合併もありませんでした。

  EBウイルスは、ヘルペスウイルスの一種です。約80%の人は、乳幼児期に感染を受け、その後
成人までにほぼ100%近い人が感染を受けます。乳幼児期の感染は軽い感冒症状で終わりますが、
EBウイルスは体内に潜伏し、唾液などから排泄され続けます。

  思春期以後、キスなどによって、初めてEBウイルスの感染を受けた場合に、伝染性単核球症を
発症します。

  EBウイルスは咽頭に感染した後、Bリンパ球に感染してその増殖を促し、多クローン性に抗体を
過剰に産生させます。これに反応してTリンパ球が増殖し、全身のリンパ節が腫脹します。また、
リンパ球が肝臓に浸潤し、肝炎を引き起こします。

  しばしばA群溶連菌感染症を合併し、抗生物質の投与が必要になります。しかし、抗体産生が過剰
になっているため、薬物アレルギーを起こしやすい状態であり、ペニシリンは投与禁忌です。

  診断および治療には、細心の注意が必要です。