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BMP6195.gif     亜鉛欠乏症

                         (文責:宮下和也)

  Sさんは、咳・鼻水・のどの痛みを訴えて受診しました。この1年ほど、毎月のようにかぜを
ひくとのことです。口内炎が出来やすく、味覚と嗅覚の低下も認めました。血液検査では、軽い
貧血がありましたが、鉄欠乏はなく、ビタミンB12や葉酸も正常値です。以前も貧血を指摘され、
鉄剤の投与を受けても改善しなかったことがあるそうです。

  気になって調べましたところ、血清中の亜鉛が低値を示しており、亜鉛欠乏症と診断しました。
亜鉛の補充療法を行ないましたところ、かぜは治り、次第に味覚や嗅覚は回復し、貧血も改善し、
半年後にはほとんどかぜをひかなくなりました。

  亜鉛・セレン・銅・クロムなどの金属は、人体に有害であることが従来から知られています。
ところが、これらの金属は生体内に微量に存在しており、健康維持のために不可欠であることが
解明されてきています。

  亜鉛は、遺伝子の翻訳やエネルギー産生に関わる酵素などに含まれていて、蛋白・脂質・糖・骨の
代謝に重要な役割を果たしています。食事からの摂取不足・肝炎や糖尿病などの疾患・降圧剤の投与
などにより、亜鉛欠乏症を生ずることがあります。

  亜鉛欠乏は、免疫能低下・易感染性・創傷治癒遅延・味覚嗅覚障害・口内炎・皮膚炎・うつ状態・
脱毛・性腺機能低下・動脈硬化・白内障・癌などが引き起こします。

  亜鉛は、牡蛎や抹茶・海苔などに含まれますが、治療には亜鉛製剤も用いられます。症状改善には、
約3ヵ月以上かかりますので、焦らずに治療を続けることが大切です。