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BMP6195.gif   ビタミンB12欠乏症(悪性貧血)

                            (文責:宮下和也)

  Xさんは、半年ほど前から全身倦怠感・手足のしびれ・舌の痛みが続くため来院しました。
皮膚は青白く、舌乳頭が萎縮して赤くなっていました。血液検査では大球性貧血で、鉄欠乏は
ありません。精査の結果、ビタミンB12欠乏と判明し、ビタミンB12の注射により、貧血が著明に
改善しました。また、
橋本病を合併し、甲状腺ホルモンが低値でしたので、甲状腺ホルモンの
補充も行い、ほとんど症状が消失しました。

  ビタミンB12は、DNA合成などに欠かせないビタミンで、肉・レバー・牛乳・卵・魚などに
含まれています。1日の必要量は約2μgで、通常は食事から十分な量が供給されています。
食物中のビタミンB12は、胃の壁細胞から分泌される内因子と結合して安定な形になり、回腸で
吸収されます。体内には約5mgのビタミンB12が貯えられていますので、食事からの供給が途絶
えても、すぐには欠乏症状は現われません。

  悪性貧血は、自己免疫反応(*注)により、慢性萎縮性胃炎が原因となって内因子が欠乏し、
ビタミンB12の吸収不良を生じます。しばしば、橋本病やI型糖尿病などの他の自己免疫疾患を
合併します。

*注 自己免疫反応 自己を守るために、病原体や異物を攻撃し排除する機能が免疫システムです。
その免疫システムに異常が生じて、自分の体を攻撃してしまうのが、自己免疫反応です。

  悪性貧血は、内服のビタミンB12は十分吸収できませんので、治療には注射が必要です。また、
しばしば鉄欠乏を合併し、鉄の補充も必要とすることがあります。

  なお、悪性貧血は、慢性萎縮性胃炎を基礎にして、胃癌を合併する頻度が高いため、定期的な
胃の内視鏡検査が欠かせません。

  悪性貧血と同様に、胃切除後の方では、術後5年程で内因子不足からビタミンB12欠乏を生じて、
同様の症状が現われる場合があります。