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BMP6195.gif      水痘・帯状疱疹:ワクチン

                            (文責:宮下和也)

  残業続きだったYさんが、背中の激しい痛みのため、来院しました。背中から脇腹にかけて、片側の
肋骨に沿って、水疱を伴う赤い発疹と強い痛みがあります。帯状疱疹です。幸い、発症早期だったため、
抗ヘルペスウイルス剤の投与により、治癒しました。

  帯状疱疹は、水痘(みずぼうそう)ウイルスが原因です。水痘が一旦治癒した後、水痘ウイルスは
知覚神経節に潜伏し続けます。その後、免疫力が低下した際に、潜んでいた水痘ウイルスが再活性化し、
神経に沿って炎症・水疱疹を生じ、これを帯状疱疹と呼びます。発症早期であれば、アシクロビルなどの
抗ヘルペスウイルス剤が有効ですが、治療開始が遅れますと、後遺症(難治性の神経痛)を生じます。

  帯状疱疹は、背景に、糖尿病や癌などの消耗性疾患が存在することが多いため、内科的管理が必要です。

  水痘は空気感染(*注1)および接触感染(*注2)で、帯状疱疹は接触感染により、感染が拡がります。
未感染者に水痘ウイルスが感染しますと、10〜21日の潜伏期間の後に、水痘を発症します。

  一般に健常小児では、経過は良好ですが、集団生活が不可能になり、治癒には1週間以上要します。
免疫低下状態の患者さんや成人などでは、水痘は重症化しやすく、しばしば肺炎を合併します。

  妊婦が罹患した場合には、妊婦自身の重症化のみならず、胎児に重大な影響を生じる危険性があります。
妊娠8〜20週では先天性水痘症候群(胎児の重篤な奇形や発達障害)の危険があり、分娩前後の7日以内では、
新生児水痘(重症)の危険があります。

  水痘は、ワクチン接種で予防可能です。感染機会の72時間以内に接種すれば、罹患しないか、あるいは、
罹患しても軽く済みます。また、水痘の既往がある高齢者などでは、ワクチン接種が帯状疱疹の予防に有効と
報告されています。

  水痘ワクチンの有効率は約95%と優れ、副反応はほとんどありません。ただし、生ワクチンですので、
妊娠中は接種できません。ワクチン接種1ヶ月前から接種2ヶ月後まで、確実に避妊が必要です。

*注1 空気感染(=飛沫核感染) 病原体が5μm以下の小さな飛沫核となって長時間空気中を浮遊し、広く
拡散して、その空気を吸入した人に感染する。水痘・インフルエンザ・結核・麻疹などがこの感染形式をもつ。

*注2 接触感染 患者への直接の接触、または、患者の血液・体液・排泄物およびそれらが付着した物品に
接触することによって感染する。水痘・病原大腸菌・伝染性膿痂疹(とびひ)などが、この感染形式をもつ。