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BMP6195.gif       夏かぜと合併症

                          (文責:宮下和也)

  Bさんは、鼻水や咳のため、受診しました。37℃台の微熱と軽い咽頭発赤を認めましたが、
扁桃炎もなく、聴診所見も異常ありません。夏かぜと考えて、症状を和らげる薬を処方しました。
ところが、3日後、Bさんは、呼吸困難・胸痛を訴えて来院しました。顔色は蒼白で、指先には
チアノーゼがあります。

  胸部X線写真で、胸水が貯留しています。入院治療を開始しましたが、刻々と病状が悪化して
行きます。心臓のエコー検査で、心臓と心外膜(心臓を包んでいる膜)との間に、液体がたくさん
貯留し、心臓の動きが悪くなっています。心タンポナーデです。

  胸水・心嚢液を穿刺しましたところ、いずれも血性の液体を認めました。血性胸水で、第一に
疑われるのは、結核と癌です。詳しく検査しましたが、結核や癌は認められません。発症時および
2週間後の血液で、ウイルスの抗体検査をしたところ、コクサッキーウイルス抗体価の著しい上昇
が確認され、診断が確定しました。

  その後、Bさんは、治療の甲斐あって全快しました。

  夏かぜは、コクサッキー・エコー・エンテロ・アデノウイルスなどが原因の、ウイルス性の急性
感染症であり、抗生物質は無効です。鼻水や咳などの、いわゆるかぜ症状以外にも、ヘルパンギーナ・
手足口病・嘔吐下痢症・咽頭結膜熱などを生じます。一般的には、1週間程で自然に軽快しますが、
時には、髄膜炎・脳炎・心筋炎・心外膜炎・肺炎・胸膜炎・肝炎などの重い合併症を引き起こします。

  特に、髄膜炎は、6月頃から流行が報告されており、十分な警戒が必要です。高熱・激しい頭痛・
嘔吐・項部強直(頸の後ろが硬くなる)が髄膜炎の特徴です。