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BMP6195.gif    マイコプラズマ肺炎

                       (文責:宮下和也)

  Dさんは、2週間前から咳が続くため、来院しました。38℃の発熱がある割には元気で、
扁桃炎などはなく、聴診では、呼吸音に異常はありません。念のため、胸部のX線撮影を行
なってみましたところ、右の下肺野を中心に、スリガラス様の淡い肺炎像があります。

  早速、マクロライド系抗生剤による治療を開始しました。治療に先立って行なった喀痰
の培養検査では病原細菌は検出されず、血液検査でマイコプラズマ抗体価の著しい上昇を認め、
マイコプラズマ肺炎と診断しました。治療により、約2週間で治癒しました。

  マイコプラズマは、細菌とウイルスの中間の大きさと性質を有しています。ウイルスとは
異なり、無細胞培地で増殖可能な最小の病原微生物です。一般細菌とは異なり、細胞壁を持たず、
3層の限界膜を持ちます。ペニシリン系やセフェム系などの抗生剤は無効で、マクロライド系や
テトラサイクリン系などの抗生剤が有効です。

  マイコプラズマは、飛沫感染で拡がり、感染力が強いため、しばしば流行・集団内感染・
家庭内感染を生じます。ワクチンはありません。典型的には肺炎を生じますが、咽頭や気管支
などにも感染し、炎症を生じます。特徴は、長引く激しい咳です。さらに、30-40%という高い
頻度で、肝機能障害を合併します。また、気管支喘息の発症・悪化要因としても重要です。

  2001年の秋から、マイコプラズマ肺炎が大流行しています。中には、マクロライド系抗生剤
などによる治療が奏功せず、ステロイド剤を必要とする重症・難治例もあります。

  診断には、マイコプラズマ抗体価の測定が有用です。PA(粒子凝集反応)法で320倍以上または
CF(補体結合反応)法で64倍以上であれば、診断できます。それ以外の場合は、急性期と回復期の
ペア血清で、4倍以上の抗体価の上昇によって診断されます。