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BMP6195.gif      漢方治療:線維性筋痛症

                           (文責:宮下和也)

  Fさんは、数年来の全身の筋肉痛を訴えて来院しました。特に激しい運動をしたわけではないのに、
朝の起床時から、頸・肩・腕・背中・脇腹・腰・下肢と、ほぼ全身の筋肉痛があり、湿布薬を貼っても
一時的に和らぐのみで、痛み(とくにふくらはぎが、むずむず痛い)のために良く眠れないとのことです。
整形外科的には問題がなく、鎮痛剤を服用しても全く効かないとのことです。元来はスポーツマンのため、
運動不足のためかも知れないと言われて、運動をしましたが、かえって悪化してしまったそうです。

  膠原病や神経筋疾患などを疑って精査しましたが、全く異常がありません。特徴的な圧痛点を認め、
線維性筋痛症と診断しました。

  線維性筋痛症は、難治性の全身の筋肉痛が特徴の病気で、関節リウマチなどとは全く異なる疾患です。
原因は十分には解明されていませんが、一般的には、抗うつ剤が有効とされています。

  Fさんに抗うつ剤を投与しましたが、かえって症状が悪化したため、漢方治療を行うことにしました。
体格は中肉中背で、筋肉はしっかりしていて、腹部では肋骨弓に沿って抵抗があります。柴胡加竜骨牡蠣湯
(さいこかりゅうこつぼれいとう)を投与しましたが、体が冷えて下痢をしてしまいます。再度診察しますと、
脈は沈んで弱弱しく、良く聞いてみますと、子供の頃からかぜをひきやすいとのことです。外見と異なって、
虚弱な体質のようです。

  そこで、桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)に変えましたところ、痛みが半分くらいに
なりましたが、全身倦怠感が改善しません。さらに、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)を加えましたところ、
ぴたりと筋肉痛が消失し、熟睡できるようになり、全身倦怠感も消失しました。

  Fさんのように、抗うつ剤無効の線維性筋痛症では、漢方治療も有用な場合があると考えられます。