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(文責:宮下和也)
Gさんは、両側の耳下腺の痛みと腫れ・発熱を訴えて、受診しました。子供の頃に、
片側の耳下腺が腫れて、おたふくかぜと診断されたことがあるとのことです。
耳下腺炎は、ムンプス以外に、コクサッキー・パラインフルエンザ・サイトメガロ
などのウイルス感染や反復性耳下腺炎・シェグレン症候群など、種々の病気で生じます。
Gさんが子供の頃に罹ったのが、本当にムンプスかどうか疑わしいと考えられました
ので、血液・尿検査を行い、安静療養を指示して、経過を見ることにしました。
検査では、血液および尿中のアミラーゼが高値を示し、、ムンプスIgM抗体価も高値で、
ムンプスと確定診断しました。その後、顎下腺・舌下腺も腫れ、高熱が持続し、激しい頭痛と
嘔気を訴えました。項部強直(首の後ろが硬くなって前に曲がらない)があり、腰椎穿刺を
行ないましたところ、ウイルス性髄膜炎の所見を認めました。さらに、両側の睾丸炎も加わり、
約1ヶ月間の入院治療となりました。
ムンプスは、特効薬はなく、抗生剤も無効です。自然感染しますと、発症者の約10%と
いう高頻度に、髄膜炎を生じます。ほとんどの場合、後遺症なく治癒しますが、まれには、
てんかん・麻痺・死亡を招くこともあります。そのほか、睾丸炎・卵巣炎・膵炎・甲状腺炎・
難聴・心筋炎・腎炎・肝炎・溶血性貧血・関節炎などを合併することがあります。
また、妊娠中に罹患しますと、流産・奇形の原因になります。
ムンプスは、ワクチン接種による予防が重要です。ムンプスワクチンは、安全性・有効性