ト ッ プ 御 挨 拶 診療案内 医師紹介 交通案内 お知らせ トピックス 健康講座 医療相談

リンク集

求人案内 研究業績

BMP6195.gif

     内分泌性高血圧症(2):原発性アルドステロン症

                           (文責:宮下和也)

   Hさんは、腕や脚の脱力感を訴えて、受診しました。数年前から、健診で、高血圧を指摘されて
いましたが、治療を受けていなかったとのことです。四肢の筋力低下を認め、血圧は170/100mmHgと高値。
心電図ではT波の平定化を認め、血液検査では血清カリウムの低値・高血糖を認めました。

   以上から、内分泌性高血圧症が疑われたため、ホルモン検査を行ないましたところ、血漿レニン活性
低値、血漿アルドステロン高値を認め、腹部超音波検査で、右副腎に小さな腫瘍を認めました。大学病院
での精査により、原発性アルドステロン症と診断が確定し、右副腎腫瘍の摘出術を受けました。手術後、
高血圧・低カリウム血症・心電図異常・高血糖および自覚症状は完全に消失しました。

   高血圧症は、大半は本態性高血圧症(体質的なもの)ですが、約10%は二次性高血圧症(原因がはっきり
しているもの)です。二次性高血圧症には、内分泌性高血圧と腎性高血圧があります。

  原発性アルドステロン症は、内分泌性高血圧症の1つで、副腎皮質腫瘍が原因です(副腎は、腎臓の上方に
ある臓器で、外側の皮質はステロイドホルモンを、内側の髄質はカテコラミンを産生分泌します)。抗炎症作用
を有する糖質ステロイドとは異なり、アルドステロンは鉱質ステロイドの1つで、腎臓に作用してナトリウムを
体内に貯留・カリウムを尿中に排泄させることにより、血圧を上昇させる働きがあります。腫瘍から過剰に分泌
されるアルドステロンにより、高血圧・低カリウム血症が生じます。さらに、低カリウム血症によって、筋力低下
を生じ、二次的に耐糖能異常を生じます。

  的確な診断と腫瘍摘出により治癒可能な病気ですが、血清カリウム値の測定が診断の糸口として重要です。