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Wakeikai   Medical   Corporation   Miyashita   Clinic    (WMC)
       Centers   for  Thyroid  &  Diabetes  &  Allergy  &  Infectious  Diseases    (CTDAI)         

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C T D A I

インフルエンザは「かぜ」じゃない

(1) インフルエンザとは

インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染症で、乳幼児から高齢者まで大きな流行を引き起こし、肺炎・脳炎などの重い合併症を生じて入院・死亡の大きな原因になります。かぜ(普通感冒)では、このような大流行や重症化はありません。

インフルエンザウイルスに感染しますと、1〜5日の潜伏期間の後、悪寒・38℃以上の発熱・全身倦怠感・上気道炎症状(鼻汁・咳・咽頭痛など)が現れます。嘔吐や下痢などの消化器症状が見られることもあります。高熱が2〜5日間続き、解熱後には咳が長引く場合が多く、しばしば細菌感染を合併することがあります。

ハイリスク群、すなわち、50歳以上の人・慢性疾患(呼吸器疾患・糖尿病・肝臓病・心臓病・腎臓病・血液疾患など)を持っている人・小児・妊婦などでは、特に重い合併症を生じる頻度が高く、注意が必要です。

(2) インフルエンザワクチンについて

インフルエンザの最良の予防策は、ワクチン接種です。

インフルエンザワクチンの効果は、接種完了後約1ヵ月程経ってから現れ、約半年後には低下してしまうため、毎年接種が必要です。インフルエンザは例年12月頃から流行しますので、11月末までにはワクチン接種を完了することが重要です。
接種回数は、13歳未満では1〜4週間隔(できる限り3週間以上あける)で2回、13歳以上では(個人の免疫状況などを勘案しながら)1〜2回です。
流行開始の4週間前には接種を完了することが重要ですので、接種時期は、10月上旬から11月下旬までの間が理想的です。
小児などで2回接種を受ける場合には、10月に1回目、11月に2回目を受けるようにしましょう。

接種が特に推奨されているのは次の人たちです。

ハイリスク群 (インフルエンザに罹患した場合、重篤化し、入院や死亡の危険性が高い群)

    (1) 50歳以上の人 (65歳以上は法定接種)
    (2) 施設入所者
    (3) 基礎疾患を有す小児及び成人(気管支喘息・肺気腫・心疾患・糖尿病・腎不全等)
    (4) 妊婦 (*注1)
    (5) 乳幼児(特に6〜23ヶ月)(*注2)

ハイリスク群に伝染させる可能性が高い群  

    (1) 医療・介護従事者及び施設従業員
    (2) ハイリスク者の同居者(小児も含む)
    (3) 乳幼児(0〜23ヵ月、特に0〜5ヵ月)の同居者および保育者(*注3)

そのほか、流行期に海外渡航の予定がある方や家禽類を扱う方は、SARSや鳥インフルエンザ対策の面から、接種が望まれます。 

*注1 妊婦 インフルエンザの予防接種は、妊娠の全期間を通し母児に対する安全性が確認されています。妊娠しますと、インフルエンザによる入院のリスクは、約5倍(気管支喘息や糖尿病等の慢性疾患を有する、非妊娠時の女性と同等のハイリスク)になります。今シーズンから、米国CDCは、「インフルエンザ流行期に妊娠しているであろう女性」に対して接種を勧告しています。つまり、現在妊娠している女性ばかりでなく、妊娠予定の女性も対象になります。ちなみに、昨シーズンまでは、インフルエンザの流行期に妊娠14週以後に入る女性は、インフルエンザの予防接種を受けるべきであることが、米国CDCによって勧告されていました。その場合でも、インフルエンザの流行期間は12月末から4月上旬までの約14週ですので、流行前に妊娠が判明した女性は、ほぼ全てが対象となります。
なお、現在妊娠していて、インフルエンザの流行期の前に出産予定の場合には、その女性本人はハイリスクには該当しないことになります。が、もしも出産後にインフルエンザに罹患した場合には、新生児・乳児に伝染させてしまう可能性が高いのです。新生児・乳児を危険から守るためには、インフルエンザ流行前(つまり妊娠期間中)にインフルエンザワクチン接種を受け、感染源にならないように努めることが重要なのです。
また、妊娠中の抗インフルエンザウイルス薬の投与は安全性が未確認ですので、インフルエンザに罹ってから抗インフルエンザウイルス薬で治療すれば良いというのは、全く誤った考え方です。

*注2 6ヶ月から5歳以下の乳幼児、特に6ヶ月から23ヶ月の乳幼児 6ヵ月から5歳以下の乳幼児、特に6ヶ月から23ヶ月の乳幼児は、インフルエンザによる重い合併症や入院のリスクが非常に高く、65歳以上の高齢者と同程度にハイリスクであることが報告されています。乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果は、学童や成人などと比較してやや弱いものの、6ヶ月から23ヶ月の乳幼児への接種は十分有効であることが報告されています。米国では、2003年5月から、定期接種にインフルエンザワクチンが導入されました(対象は、6ヶ月から23ヶ月の乳幼児、および同居する18歳以下の兄弟)。
日本でも、乳幼児に対するインフルエンザワクチンの効果について、現在試験が進行中ですが、中間報告の段階では有効性が報告されています。
*注3 乳幼児(0〜23ヵ月、特に0〜5ヵ月)の同居者および保育者 生後6ヵ月以上の乳幼児に対しては、上述の通り、インフルエンザワクチン接種が奨められています。しかし、乳幼児の場合、成人などに比較して効果が弱いため、家族など同居者全員が揃って接種を受け、家庭内にインフルエンザを持ち込まないようにすることが大切なのです。
なお、生後6ヵ月未満の乳児(つまり、生後0〜5ヵ月の乳児)も、インフルエンザに罹患した場合には、重篤化する危険性が高いと考えられています。しかし、6ヵ月未満の乳児に対するインフルエンザワクチンの効果は確立していないため、通常は、接種を行いません。そのため、同居する家族および保育担当者(ベビーシッターや保育師など)が全員揃ってインフルエンザワクチン接種を受け、感染源にならないように努めることが重要なのです。

なお、1歳未満の乳幼児に対する抗インフルエンザウイルス薬の投与は安全性が未確認であり、罹ってから抗インフルエンザウイルス薬で治療すれば良いというのは、全く誤った考え方です。
また、日本で、乳幼児での多発が問題になっているインフルエンザ脳症は、進行が極めて激烈です。インフルエンザ発病から、わずか3時間で脳症を発症した症例もあるのです。したがって、インフルエンザワクチンの接種を奨めずに、インフルエンザに罹ってから抗インフルエンザウイルス薬で治療すれば良い、などとというのは、全く誤った考え方である、と言えるでしょう。
インフルエンザワクチンが、インフルエンザ脳症を防ぐことができるかどうかは、現在のところ実証されてはいません。しかし、インフルエンザに罹患しない限り、インフルエンザ脳症を発症することはあり得ません。したがって、インフルエンザワクチンによってインフルエンザを予防することが、インフルエンザ脳症の予防の点からも、極めて重要である、と言えるでしょう。
乳幼児は受けるべき予防接種が複数ありますので、上手にスケジュールを組んで、インフルエンザワクチンも是非受けるようにしましょう。

2004-2005シーズンのインフルエンザワクチン株は、2003-2004シーズンとは変更され、以下の通りに決定されました。

       A/ソ連型株 A/New Caledonia/20/99 (H1N1)
       A/香港型株 A/Wyoming/3/2003(H3N2)
       B型株    B/Shanghai/361/2002

A/香港型株は、2002-2003シーズンから流行し始め、2003-2004シーズンでは世界的な主流になった「福建タイプ」に対応するために、A/Fujian/411/202類似ウイルス株であるA/Wyoming/3/2003(H3N2)が選定されました。
B型株も、これまで使われていたB/Victoria系ウイルス株のB/Shandong/7/97から、B/Yamagata系ウイルス株に変更になっています。
2003-2004シーズンに分離されたB型インフルエンザウイルスのほとんどがB/Yamagata系に属していたこと、かつ、B/Yamagata系ウイルス株に対する抗体保有率が低いことなどから、選定されました。
A/ソ連型株は、これまで同じです。

インフルエンザワクチン接種後の神経系の副反応報道(インフルエンザワクチンとGBSとの関連)について

2002年冬、新聞などマスコミ各社により、インフルエンザワクチン接種後の起立困難などの神経系の副作用が報道されました。これは、ギラン・バレー症候群GBSのことを指しています。GBSは、カンピロバクター・ジェジュニ菌(動物の腸管に生息する細菌で、不完全な調理によって摂取すると食中毒を生じる)や種々のウイルスなどの感染後に発症する、自己免疫性の多発性神経根炎です。インフルエンザワクチンとGBSの関連についての話題は、1976年までさかのぼることができます。その当時、米国で使用されたブタインフルエンザワクチンの接種後にGBSが発症したことが報告されましたが、詳細な調査により、頻度は100万人接種あたり10人未満であり、これは、GBSの自然発症率と全く有意差がなかったことが明らかにされました。その後、現在と同じワクチンが使用されるようになってからの調査では、100万人接種あたり1人の頻度と報告されましたが、これも、GBSの自然発症の頻度と有意差を認めませんでした。GBSの原因になり得る感染症は多数あり、インフルエンザワクチンが原因であると確定された例は、これまでのところありません。

インフルエンザワクチンの有効性・安全性については、すでに十分実証されています。インフルエンザワクチンの接種に反対する考えを持つ、極一部の人たちがいることは事実ですが、世界的にはインフルエンザワクチンとGBSとの関連性はほとんどないと考えられています。インフルエンザに罹患した場合に起こる健康被害のほうが、はるかに重篤であり、はるかに高頻度です。極一部の人たちの誇張された煽動には乗らないのが、賢明です。

ワクチンに含有される水銀について

インフルエンザワクチンのみならず、日本脳炎ワクチン・3種混合ワクチンDPTなどには、以前から、防腐剤として水銀製剤の一種であるチメロサールが含有されています。確かにチメロサールは水銀製剤の1つですが、現在までに知られているのは、局所の発赤や腫脹程度であり、重篤な副作用や長期的な健康被害は、世界中で全く報告がありません。米国でも、これまでチメロサールは使用されています。ワクチンに含まれる水銀量は10ppm程度と極めて微量(およそ魚1g程度)であり、蓄積等による、健康への影響はないとされています。チメロサールを含有するワクチンは1930年ごろから使用されていますが、これまでのところ、チメロサールによる重篤な副作用や水銀の蓄積による長期的な健康被害の報告は一切なく妊娠女性に接種しても安全性には何ら問題ないと報告されています。しかし、言い方を変えれば、まだ70年ほどしか使用されていないので、100%安全かどうかはわからない、という考え方に基づいて、米国と同様に、日本においても、チメロサールは、次第に減量されてきており、将来的には中止の方向にあります。2003-2004シーズンからは、チメロサールを含有しないインフルエンザワクチンも発売される予定です。つまり、長期的な健康障害を生じる証拠は一切ないものの、使わずに済むならば、使わないほうがより望ましいだろう、という考え方です。
改めて言うまでもないことですが、日本人の場合は、日常的に魚をたくさん食べますので、ワクチンに含まれるよりもはるかに多量の水銀を日常的に摂取していることになります。

(3) インフルエンザの診断と治療

インフルエンザの最良の対策は、流行前の予防接種です。
が、万一罹ってしまった場合には、早期に診断・治療を行ない、肺炎・肝炎・筋炎・脳炎などの重篤な合併症を防ぐことが重要です。

インフルエンザの流行期には、インフルエンザ以外に、アデノウイルス・RSウイルス・SRSVウイルス・パラインフルエンザウイルス・マイコプラズマA群溶連菌など、多種類の発熱性の急性感染症が同時に流行します。したがって、臨床症状のみによる診断では、誤診の可能性が高くなります。

近年、インフルエンザウイルス抗原を簡便に検出する検査が普及し、発症48時間以内であれば、インフルエンザの確定診断を約15〜20分で下すことが可能になりました。具体的には、鼻の奥深くに綿棒を挿入し、粘膜を強く数回こすって検体を採取して、検査を行ないます。

診断が確定されれば、必要に応じて抗インフルエンザウイルス薬の投与を行います。A型・B型両者に有効なザナミビル(吸入薬)、オセルタミビル(内服薬で、2002年から小児用の剤型も発売)と、A型のみに有効なアマンタジンがあります。いずれも、発症48時間以内に投与開始することによって著効を示し、罹病期間を短縮することが可能です。ただし、耐性ウイルスの出現を防ぐため、アマンタジンの使用は、短期間に制限されています。

発熱や全身倦怠感などのインフルエンザ様の症状がある方は、できる限り早目に受診して、インフルエンザの迅速検査を受けるようにしましょう。

ただし、1歳未満では、抗インフルエンザウイルス薬の安全性は未確認であり、原則として、投与すべきではありません。
動物実験では、日齢7日までの乳仔へのオセルタミビル(商品名タミフル)の大量投与により、死亡例が見られ、タミフルが脳神経系に大量に蓄積されていたことが報告されています。その原因として、血液脳関門が未発達であることが指摘されています。人間の場合、1歳未満では、血液脳関門が未発達と考えられており、そのため、1歳未満では、オセルタミビルは投与しないよう、ドクターレターが出されています。
オセルタミビルに限らず、アマンタジン(商品名シンメトレルなど)も、脳神経系の副作用が知られており、1歳未満に投与すべきではありません。
吸入薬のザナミビルは、粉末の薬剤を自分で吸入可能な年齢に達していなければ使用不可能ですので、当然、1歳未満では使用できません。

解熱剤は治癒を2〜3日遅くします。さらに、アスピリンはライ症候群(肝機能障害および脳症)を起こす危険性があり、ジクロフェナクおよびメフェナム酸は、インフルエンザ脳症を悪化させる可能性があります。
発熱は、本来、体を守る反応ですので、基本的には、解熱剤で無理に下げる必要はありません。が、ぐったりして、とてもつらい場合には、解熱剤によって症状を和らげることによって、体力の消耗が防げます。インフルエンザに対して解熱剤を使用する場合は、アセトアミノフェンなどの安全性の高い薬剤を、最小限の屯用に、とどめるようにしましょう。

インフルエンザには、しばしば細菌感染症を合併し、抗生剤の投与が必要になる場合があります。細菌は、多数の種類があり、原因菌によって、使うべき抗生剤の種類および投与期間が異なります。現在、薬剤耐性菌も蔓延していますので、抗生剤を投与する場合には、投与開始に先立って細菌検査を行なって原因菌を明らかにし、薬剤感受性検査によってどの抗生剤が有効か確認し、必要最小限の期間、適正に使用することが重要であり、安易な乱用は慎むべきでしょう。

罹ってしまったら、できる限り早く受診することが大切です。治療の遅れは重い合併症につながる危険があります。

(4) インフルエンザ(2003−2004シーズン)のまとめ

2003-2004シーズン最初のインフルエンザによる学級閉鎖は、群馬県内の小学校で2003年11月18日から行われ、以後、群馬県内各地で複数の学級閉鎖が行われました。

全国的に見ますと、国立感染症研究所感染症情報センターによれば、2003-2004シーズンは、主に、AH3型ウイルスの流行でした。

AH3型ウイルスの流行は第5週にピークとなり、ピークの高さは2002-2003シーズンに匹敵し、2002-2003シーズンよりも小規模ではありましたが、大きな流行であったと考えられます。

AH1型ウイルスは、散発的な流行が見られたものの、大きな流行は見られませんでした。

B型ウイルスは、第36週に沖縄県、第43週に愛知県で分離され、以後、持続的に小規模な地域的流行が各的で見られました。
第12週以後も、B型ウイルスの地域的流行が断続的に報告されており、大きなピークを形成しないものの、感染者数は少なくはなかったと考えられます。

インフルエンザ様疾患による学級閉鎖は、2002-2003シーズンよりも小規模ではありましたが、全国的には、例年並の件数でした。

WHOによれば、2003-2004シーズンの北半球でのインフルエンザは、大半はインフルエンザA(H3N2)ウイルスによる大きな流行が見られました。
その大部分のウイルス抗原型は、非ワクチン株のA/Fujian/411/202類似ウイルスであることが確認されました。次いでワクチン株と同じA/Panama/2007/99類似ウイルスも確認されましたが、比較的少数でした。。

インフルエンザBは、アジア(香港、韓国、タイ)から最も頻繁に報告され、ヨーロッパと北米からは散発例でした。
A(H1)の患者発生は、アイスランドで41-46週の流行を除き、世界からの報告はまれでした。

宮下クリックでは、下表のように、2003年11月12日からインフルエンザ患者を確認しました。

インフルエンザ患者の約80%はワクチン未接種者でした。なお、定期通院中のハイリスク者は大部分予防接種を受けており、ほとんど罹患しませんでした。(ワクチン接種者約700名の罹患率は、約5%でした。)
なお、2002-2003シーズンの治療成績から、迅速検査とPCR法によるインフルエンザウイルス遺伝子検出は非常に良く一致し、感度および特異性は90%以上であること、発症から3時間という発病の極早期でも迅速検査で明らかに陽性に検出されることが、確認されています。

宮下クリニックにおけるインフルエンザ患者数(発症48時間以内に迅速検査で陽性を確認)
  ただし、( )内は小児の患者数

 

47W

11/17-11/23

48W

11/24-11/30

49W

12/01-12/07

50W

12/08-12/14

51W

12/15-12/21

52W

12/22-12/28

53W/1W

12/29-01/04

A

---

---

1(0)

5(3)

16(15)

17(6)

0(0)

B

---

---

---

0(0)

1(1)

3(1)

0(0)

型不明

1(0)

1(1)

1(1)

---

---

---

---

   * 型判別できないタイプの検査キットを使用

 

2W

01/05-01/11

3W

01/12-01/18

4W

01/19-01/25

5W

01/26-02/01

6W

02/02-02/08

7W

02/09-02/15

8W

02/16-02/22

9W

02/23-02/29

10W

03/01-03/07

11W

03/08-03/14

A

7(2)

3(0)

13(4)

27(16)

21(8)

20(13)

12(6)

3(1)

3(1)

1(1)

B

0(0)

0(0)

0(0)

1(0)

2(0)

0(0)

2(0)

2(1)

1(1)

2(1)

 

12W

03/15-03/21

13W

03/22-03/28

14W

03/29-04/04

15W

04/05-04/11

16W

04/12-04/18

17W

04/19-04/25

18W

04/26-05/02

19W

05/03-05/09

20W

05/10-05/16

A

4(2)

0(0)

0(0)

0(0)

0(0)

0(0)

0(0)

0(0)

0(0)

B

3(0)

0(0)

1(1)

0(0)

0(0)

1(0)

0(0)

0(0)

0(0)

2003-2004シーズンの流行前のインフルエンザの抗体保有状況(IDSC 免疫状況)(平成15年11月20日現在)

国立感染症研究所感染症情報センター発表の、2003-2004シーズンの流行前の抗体保有状況は、以下の通りでした。

A/ソ連型は、5-19歳では約50%の抗体保有率ですが、乳幼児(4歳以下)および成人(20歳以上)では低い保有率でした。
A/香港型は、5-19歳では約70%の抗体保有率ですが、乳幼児(4歳以下)および成人(20歳〜59歳)では低い保有率でした。60歳以上では約45%の抗体保有率ですが、ワクチン接種によってさらに上げることが重要です。
B型は、すべての年齢層で、低い保有率でした。

有効防御免疫の指標とみなされるHI抗体価40以上の抗体保有率(約%)

  

0-4歳

5-19歳

20-39歳

40-59歳

60歳以上

A/New Caledonia/20/99 (H1N1)
A/ソ連型 ワクチン株

20

50-55

15-20

5-15

18

A/Panama/2007/99 (H3N2)
A/香港型 ワクチン株

25

70

30-35

20-25

45

B/Shandong/7/97
B/Victoria系 ワクチン株

5未満

5-10

15-20

5未満

15

B/Shanghai/44/2003
B/Yamagata系 非ワクチン株

5未満

15-35

10

5未満

5未満

 

(5) 鳥インフルエンザウイルス感染(2003−2004シーズン)

鳥インフルエンザウイルスA(H5N1)は、ニワトリの間で急激に拡大し、ニワトリでの死亡率はほぼ100%です。

日本では、1925年の発生例からH7N7のインフルエンザウイルスが分離されており、それ以降は発生がありませんでした。

2004年1月、山口県で鳥インフルエンザウイルスH5N1亜型による発生が79年ぶりに確認されました。同年2月には、大分県で愛玩鳥のチャボ、京都府の採卵鶏農場で同亜型による発生し、社会問題にもなりました。また京都と大阪では死亡したカラスからも、H5N1亜型鳥インフルエンザウイルスが分離されました。

最近の世界での主な発生例としては、香港(1997年、H5N1)、オーストラリア(1997年、H7N4)、イタリア(1997年、H5N2)およびイタリア(1999年、H7N1)、オランダ(2003年、H7N7)、韓国(2003年、H5N1)などがあげられます。

特に2003−2004シーズンは、2003年12月に韓国の農場での発生が報告されたことに始まり、高病原性鳥インフルエンザH5N1型感染が、日本を含めアジア各国で確認されました。
2004年3月30日時点で、家きんの鳥インフルエンザ感染例の報告をした国は、ベトナム・タイ・カンボジア・ラオス・インドネシア・中国・台湾・韓国・日本・米国(以上H5亜型)、パキスタン・オランダ・カナダ・米国(以上H7亜型)です。が、病原性の程度も異なったウイルス型の集団発生も混在して起こっており、これら各国のすべての例が高病原性の鳥インフルエンザウイルスと確認されたわけではありません。
中国(本土)・ベトナム・タイでの被害は大きく、ブタやアヒルも感染が報告され、特に中国では900万羽以上が死亡あるいは殺処分されたと報告されています。

2003−2004シーズンのように多くの国で同時に集団発生がみられた例はこれまでに無く、特にその多くが、すでに種を超えて感染を始めた高病原性のH5N1型であることが、強く懸念されています。

2003年10月から、ベトナムとタイでは、高病原性鳥インフルエンザH5N1亜型のヒトへの感染が発生し、死者が発生しました。
死亡例の解剖所見では、呼吸器の障害のみならず、多臓器不全を生じていたことが報告されており、極めて強い毒性を有することが明らかになっています。

2003年12月、香港で、鳥インフルエンザA(H9N2)のヒトへの感染例が報告されました。
今回の例は、これまでに香港でヒトからH9N2ウイルスが分離された2例目で、前回の発生は1999年でした。

2004年3月、カナダで、鳥インフルエンザA(H7)のヒト感染(結膜炎など)がありました。

現時点では、鳥インフルエンザウイルスAの、ヒトからヒトへの感染の証拠はなく、医療従事者の感染の報告もありません。

しかし、今後、ヒトあるいは動物の体内で、A(H5N1)ウイルス等の鳥インフルエンザウイルスAが変異を生じ、ヒトからヒトへの強い感染力を獲得し、強い病原性によって、世界的に甚大な被害を引き起こす危険性が懸念されています。

A(H5N1)ウイルスのヒトの大流行に備えるため、A(H5N1)ワクチンの開発が着手され、すでに概ね成功しています。が、特許の問題があり、実際にワクチンが製造・供給されるためには、いくつもの障害が存在し、大きな問題になっています。

抗インフルエンザウイルス剤は、ノイラミニダーゼ阻害剤のオセルタミビルが、感染防止および治療に有効と考えられていますが、日本国内では、予防投与は認可されてません。
一方、ベトナムで流行していたH5N1型は、M2タンパク阻害剤の耐性遺伝子を持っているため、、M2タンパク阻害剤のアマンタジンは無効と考えられています。 

(6) 2002-2003シーズンのインフルエンザのまとめ

  2002-2003シーズンは、主にA香港型にB型、一部でAソ連型が混合して流行しました。例年に比べて流行開始が約1ヶ月以上早く、また、流行規模が大きかったことが特徴です。
  2002-2003シーズンの定点当たり報告数の推移では、2002年第50週に1.0を超えた後急増し、2003年第4週38.7をピークに減少に転じました。感染症法施行後の過去4シーズンとの比較では、ピークが早めでピーク値も大きかったことがわかりました。それ以前のシーズンとは定点設計が異なるため、単純比較はできませんが、過去10シーズンでは1994-1995シーズン、1997-1998シーズンのピーク値は50以上でしたので、これに比べれば2002-2003シーズンのピークは小さかったと言えます。
  2003年第5週以降、定点当たり報告数は減少しましたが、第8週から第11週にかけて減少が鈍化しました。これは、先行したAH3型ウイルスによる流行が第4週をピークに順調におさまっていったのに対し、遅れて始まったB型による流行が比較的長引いたためと考えられます。
  ウイルスの分離報告では、2003年5月18日までに、AH3型ウイルスは計4,696件(PCRのみの検出31件を含む)報告され、このうちN 型別された236件はすべてN2でした。B型ウイルスは計2,218 件(PCRのみの検出20件を含む)報告され、AH1型ウイルスは、2003年第10週に滋賀県から1 件報告されたのみでした。

宮下クリックでは、下表のように、2002年11月12日からインフルエンザ患者を確認しました。

  患者の約95%はワクチン未接種者であり、4歳以下+成人で全体の90%以上を占めました。なお、定期通院中のハイリスク者は大部分予防接種を受けており、ほとんど罹患しませんでした。(ワクチン接種者約600名の罹患率は、約5%でした。)
  なお、迅速検査と共にPCR法によるインフルエンザウイルス遺伝子の検出もあわせて行ないましたが、結果は非常に良く一致し、感度・特異性は90%以上でした。ちなみに、発症から3時間という発病の極早期でも、迅速検査で明らかに陽性に検出されました。

宮下クリニックにおけるインフルエンザ患者数(発症48時間以内に迅速検査で陽性を確認)
  ただし、( )内は小児の患者数

 

46W

11/11-11/17

47W

11/18-11/24

48W

11/25-12/01

49W

12/02-12/08

50W

12/09-12/15

51W

12/16-12/22

52W

12/23-12/29

53W/1W

12/30-01/05

2W

01/06-01/12

3W

01/13-01/19

A

0(0)

0(0)

0(0)

1(1)

1(0)

0(0)

5(3)

2(1)

8(4)

11(4)

B

3(1)

3(3)

1(1)

0(0)

2(1)

1(1)

0(0)

0(0)

0(0)

5(2)

 

4W

01/20-01/26

5W

01/27-02/02

6W

02/03-02/09

7W

02/10-02/16

8W

02/17-02/23

9W

02/24-03/02

10W

03/03-03/09

11W

03/10-03/16

12W

03/17-03/23

13W

03/24-03/30

A

10(2)

32(10)

20(12)

11(5)

6(5)

14(8)

12(6)

11(7)

10(6)

3(3)

B

7(3)

8(6)

8(4)

17(3)

13(5)

14(4)

9(3)

8(3)

11(5)

8(4)

 

14W

03/31-04/06

15W

04/07-04/13

16W

04/14-04/20

17W

04/21-04/27

18W

04/28-05/04

19W

05/05-05/11

20W

05/12-05/18

21W

05/19-05/25

22W

05/26-06/01

23W

06/02-06/08

A

1(0)

2(1)

2(0)

2(1)

0(0)

0(0)

0(0)

1(1)

1(0)

1(0)

B

9(3)

1(1)

6(0)

1(0)

3(0)

2(0)

2(0)

0(0)

1(0)

0(0)

2002-2003シーズンの流行前のインフルエンザの抗体保有状況(IDSC 免疫状況)

  A/ソ連型およびA/香港型は、乳幼児(4歳以下)および成人(20歳以上)で、低い保有率でした。B型は、すべての年齢層で、低い保有率でした。

有効防御免疫の指標とみなされるHI抗体価40以上の抗体保有率(約%)

0-4歳

5-9歳

10-19歳

20-39歳

40-59歳

60歳以上

A/New Caledonia/20/99 (H1N1)
A/ソ連型 ワクチン株

20

40

40

10-17

5-10

10

A/Panama/2007/99 (H3N2)
A/香港型 ワクチン株

30

75

45-65

20

10-20

30

B/Shandong/7/97
B/Victoria系 ワクチン株

0

5

5-10

10-17

0

5

B/Shenzhen/407/2001
B/山形系 非ワクチン株

0

0

10

0-5

0

0

 

(7) 2001-2002シーズンのインフルエンザのまとめ

  2001-2002シーズンはA香港型・Aソ連型・B型が混合して流行しました。

IASR病原体検出速報によれば:

     2001年9月24日に名古屋からB型、10月5日に仙台からA型(H3N2)が分離。 
     仙台で12月3日・10日・11日にB型が、19日にA型(H3N2)が分離。
     大阪で12月8日にA型(H3N2)、19日にA型(H1N1)が分離。
     三重県で12月14日にA型(H1N1)が分離。
     高知県では12月17日に小学校の集団かぜからA型(H1N1)が分離。
     名古屋市では12月17日に集団かぜからのB型が分離。
     2002年1月、仙台市でA(H1)・A(H3)・BおよびC型がほぼ同時期に分離。
     2002年1月、石川県の集団かぜから、従来とは大きく変異している可能性のあるB型株が分離。
     2002年2月、山梨県の集団かぜから、A(H1)およびB型が同時に分離。
     2002年3月下旬から5月、仙台でB型が流行。

IDWR感染症発生動向調査によれば、定点当たりの報告数は2002年第8週19.5をピークにして以後速やかに減少し、第14週にはほぼ終息しました。ピークの定点当たり報告数では、1993-1994シーズン、2000-2001シーズンに続き、過去10年間で3番目に小さい流行でした。2002年第1週-第17週の累積患者報告数は649,249人でした。年齢階級別では、10歳未満が全体の約6割、5歳以下が約36%、20歳以上が約16%を占めました。ウイルスの分離・検出報告は、A/ソ連型(H1)が2,677件、A/香港型(H3)が2,212件、B型が952件で、昨シーズンと同様にA/ソ連・A/香港・B型の混合流行でした。2001-2002シーズンはは、2002年第2週からA/ソ連・A/香港型の報告が増加し始め、第5週にA/ソ連型がピーク、第6週にA/香港型がピークを迎え、B型は第4週頃から報告が増加し始めたため、第8-12週にかけて2峰性のピークを形成しました。

インフルエンザ様疾患学級閉鎖(IDWR最新インフルエンザ様疾患発生報告(学校欠席者数))によれば、平成13年10/28−平成14年04/06の累計欠席者数は163,820人(累積患者数339,424人)で、昨年同期の約2.6倍でした。

宮下クリックでは、下表のように、2001年11月28日からインフルエンザ患者を確認しました。

  患者の約95%はワクチン未接種者であり、4歳以下+成人で全体の90%以上を占めました。なお、定期通院中の大部分のハイリスク者は予防接種を受けており、ほとんど罹患しませんでした。(ワクチン接種者約500名の罹患率は、約5%でした。)

宮下クリニックにおけるインフルエンザ患者数(発症48時間以内に迅速検査で陽性を確認)

  ただし、( )内は小児の患者数

 

48W

11/26-12/02

49W

12/3-12/09

50W

12/10-12/16

51W

12/17-12/23

52W

12/24-12/31

A

0(0)

0(0)

0(0)

0(0)

1(1)

B

3(1)

1(0)

10(2)

0(0)

5(3)

 

1W

01/01-01/06

2W

01/7-01/13

3W

01/14-01/20

4W

01/21-01/27

5W

01/28-02/03

6W

02/04-02/10

7W

02/11-02/17

8W

02/18-02/24

9W

02/25-03/03

A

3(2)

4(2)

11(4)

22(13)

32(17)

35(14)

13(8)

10(4)

6(3)

B

1(1)

2(0)

2(0)

9(2)

13(4)

13(4)

7(1)

9(6)

9(8)

 

10W

03/04-03/10

11W

03/11-03/17

12W

03/18-03/24

13W

03/25-03/31

14W

04/01-04/07

15W

04/08-04/15

A

5(5)

5(3)

2(2)

0(0)

0(0)

1(0)

B

26(20)

19(17)

12(9)

17(11)

13(4)

3(1)

2001-2002シーズン流行前のインフルエンザの抗体保有状況(免疫状況2001/12/17)

 流行予測株(A香港・Aソ連・B型いずれも)に対し、乳幼児および成人は低い保有率でした。

有効防御免疫の指標とみなされるHI抗体価40以上の抗体保有率

   

0-4歳

5-19歳

20歳以上

A/New Caledonia/20/99 (H1N1)
A/ソ連型 ワクチン株

20%以下

約30-50%

10%以下

A/Panama/2007/99 (H3N2)
A/香港型 ワクチン株

20%前後

約50-80%

20%前後

B/Johannesburg/5/99
B/山形系 ワクチン株

特に低い

約40-60%

30%以下
40歳以上は特に低い

B/Akita/27/2001
今年初めに秋田で分離された
B/Victoria系 非ワクチン株

 極めて低い

極めて低い

極めて低い