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バセドウ病と妊娠
(文責:宮下和也)
Q バセドウ病で、抗甲状腺薬を内服中です。
妊娠してはいけないのでしょうか?(26歳、女性)
A バセドウ病は、免疫の異常(自己免疫反応)による、甲状腺の病気です。
甲状腺を刺激する自己抗体(TSHレセプター抗体)が作られ、それによって、
甲状腺ホルモンが過剰になる病気(甲状腺機能亢進症)です。
十分にコントロールされていない状態で妊娠しますと、流産・死産や
重い妊娠中毒症を生じる危険性があります。
また、TSHレセプター抗体は胎盤を通過しますので、胎児・新生児の
甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性があります。
バセドウ病の治療に用いられる抗甲状腺薬は、MMI(メルカゾール)と
PTU(チウラジール、プロパジール)の2種類がありますが、いずれも、
胎盤を通過する性質があります。
このため、バセドウ病の妊娠女性に、これらの抗甲状腺薬を投与することに
より、患者さん本人のみでなく、同時に、胎児の甲状腺機能亢進症の治療にも
なるのです。
ですから、抗甲状腺薬を服用中であっても、甲状腺機能が正常範囲に安定して
いれば、妊娠・出産は可能です。
ただし、妊娠中の甲状腺機能のコントロールには、十分な知識と経験が必要であり、
甲状腺専門医と産婦人科医・小児科医の連携が欠かせません。
妊娠希望の場合には、必ず甲状腺専門医の診察を受けるようにしてください。
なお、出産後には、バセドウ病が悪化することが多いので、注意が必要です。